海外旅行や日本への一時帰国時には、大手航空会社より安いLCC(ローコストキャリア)を使う機会が増えてきた。機内食は有料、マイレージは貯まらない、ディレイが多い、荷物制限が厳格などなど大手航空会社に比べてデメリットは数え切れないほどあるけれど、それでも「安い」の一言でデメリットは全て息をひそめてしまう。
とはいえ、カメラ器材のことを考えると荷物制限の壁は高くて厚い。例えば、春秋航空であれば手荷物と預け入れ荷物を合わせて15kgまでが無料範囲。それを超えると1kgあたり約1000円の追加料金が必要となる。
前回、日本に帰国したときに春秋航空を利用した。LCCの荷物制限をかいくぐって多めに荷物を持ち込もうとしていた人がいた。方法はこうだ。複数人で実行することになるのだが、まず、チェックインカウンターでは手荷物含めて15キロに合わせる。持ち込みたい追加荷物は誰か別の人に持っていてもらう。その後、チェックイン手続きが終わって搭乗口付近で免税店の袋を用意して追加の荷物を入れて、免税エリアで買った物に装っていた。
これを一部始終みていたのだが、ひとつの失敗を犯した。それは、取りだしたビニールバッグはその免税店には置かれていないものだったのだ。あっけなくバレて、計量器に荷物を乗せられ追加料金をしぶしぶ支払っていた。
悪いことはしてはいけないし、カメラ機材を毎回ヒヤヒヤしながら詰めるのも嫌なので、最低限必要なカメラ器材の重さを計算しておこうと思う。
結論からいうと、荷物制限が無料範囲内でLCCを使うとした場合、デジタル一眼レフカメラとレンズ数本にハードタイプのスーツケースを持って旅行すると荷物制限に引っかかる。
最低限必要な撮影機材と重量を頭に入れておく
Nikon D4s 1350g(バッテリーとメモリーカード含む)
Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II 1540g
Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 900g
小計 約3800g
15kgの荷物制限の場合は25%が埋まってしまうわけか。これらを同時に運ぶカメラバッグとなると例えばZkinのカメラバッグパックが2kgあるわけだから5.8kg。許容量の半分近くをカメラ関連に持って行かれてしまうとは、LCCの荷物制限はインパクトは絶大だ。
もって行けるなら持って行きたい候補器材も計算してみる
Nikon D800 900g
Sigma 35mm F1.4 DG HSM 665g
小計 1565g
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合計 7kg(カメラ器材とバッグ)
ここに一週間用のハードタイプのスーツケース(6kg)を追加したらもう13kgになる。貴重品なども当然計測器で測られるわけだから、そうなるとカメラ器材と空っぽのスーツケースしか持ち込めない。これは苦しいというか、旅行にならない。無論、ここに三脚を追加してしまったらその時点で追加料金が決定してしまう。現実的にはLCCでの本格的な撮影旅行は難しいかな。
荷物の追加料金を払ってでもLCCに乗る必要があるのか?
追加料金を払えば持ち込める許容量は増えるのだから、追加料金を払ってでもLCCに乗るべきか、或いは最初から許容量が多い大手航空会社を選ぶべきかを検討しておく必要がある。LCCには春秋航空を、大手航空会社は格安航空券比較サイトをいくつか横断的に調査した。
検証
フライトロケーション:上海-大阪間 往復便
フライト時期:8月中旬〜下旬
料金:航空券代金+サーチャージ代の平均価格
大手航空会社平均価格 60,000円
LCC平均価格 35,000円
差額が25,000円ということは、1kg当り1000円の追加料金と考えたら25kg分なので、片道12kg分に値する。往路で5kg、復路で20kgを使うという方法も可能なので、断然LCC有利な状況は変わりない。
つまり、1円でも安く済ませるならやっぱりLCCなんだろう。でも旅行ではなくて一時帰国で日用品を大量に買い込んで中国に戻るときはLCC以外も検討する必要がありそうだ。