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歴代最も売れた写真集を振り返ると芸能界の歴史の構図だった

写真集は大きく2つに分けることができる。撮影の対象、つまり被写体を重視する写真集と撮影者つまりカメラマンを重視する写真集です。被写体重視は、アイドル写真集やタレント写真集のことで、撮影者重視は有名写真家による写真集です。これから紹介するのは、被写体重視のアイドル写真集、タレント写真集の過去最も売れた歴代写真集です。

女性アイドル、女性タレントの中で誰の写真集が最も売れたのか見ていきましょう。

宮沢りえのサンタフェ(Santa Fe)が写真集業界に燦然と輝く圧倒的発行部数

アイドル写真集を語る上で、絶対に外せないのが宮沢りえの『サンタフェ(SantaFe)』です。初版が1991年で、今から約30年前の写真集でありながら、いまでもヤフオクで活発に売買されるほどの伝説的な写真集です。写真集の歴代発行部数は、155万部で歴代最高で、世界最高記録です。2位の菅野美穂の『NUDITY』が80万部ですので、その差は2倍です。

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1991年発行の宮沢りえの『サンタフェ(Santa Fe)』が写真集ブームの先駆けと考えて、1990年代と2000年代に分けて写真集ブームを追いかけてみましょう。

 

90年代の写真集はアイドルではなく女優が主役だったヘアヌード時代

宮沢りえが、90年代写真集ブームの先駆けとなったのは1つの理由があります。それはヘアヌード写真集の解禁です。

1991年10月13日の新聞に宮沢りえ写真集『Santa Fe』の全面広告が掲載されました。全身裸の宮沢りえが股間に手を添えて立ち、指の間に黒い影が見えている、全国紙の新聞に女性のヌード写真を使った全面広告が掲載されました。その被写体とは、当時18歳のトップアイドル宮沢りえ、そして撮影したのは篠山紀信氏という最も著名な写真家。そんな前代未聞の事態に世間は騒然となり、そこから1ヶ月後の発売日11月13日には民放のワイドショーばかりかNHKの全国ニュースにまで取り上げられる大きな話題となりました

 

 

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2016年の再会時の宮沢りえと篠山紀信

これによって本格的なヘアヌード写真集の時代が幕を開けた。1990年代を通して樋口可南子、荻野目慶子、島田陽子、大竹しのぶ、石田えり、杉本彩、川島なお美、石原真理子、宮崎ますみ、高岡早紀、菅野美穂、葉月里緒奈ら有名女優、タレントが次々と脱ぎ、ヘアヌードを晒し、それを一流写真家が撮影するという一大ムーブメントが沸き起こったのです。これらの女性たちに共通するのは、「女優」であることです。1990年代の写真集ブームを牽引したのは、トップ女優たちです。

また、当時は当時の新聞、雑誌は女優、タレントだけでなく、自己表現として自分の裸を撮影してもらいたいと願う素人女性が激増したと言われています。1992年に『an・an』が、篠山紀信氏撮影という条件で読者モデルを募集したところ、なんと1626人が応募したとのことです。

2000年代の写真集はアイドルによる写真集時代の幕開け

2000年代以降もヘアヌード写真集は出版され続ました。例えば、マタニティヌードを披露した歌手hitomi、新聞に全面広告を打ったバレリーナ草刈民代、映画の公式写真集で脱いだ壇蜜など、いくつか話題となった写真集はありましたが、一過性のブームでした。次の写真集ブームを牽引したのはアイドルたちです。

2000年代といってももう20年近く経ちますので、ここ数年の写真集ブームを取り上げてみたいと思います。ここ数年は、このところ重版が決定する写真集が相次いでいます。その筆頭格は、桁違いの売れ行きをみせる“乃木坂効果”です。ただ、この勢いは写真集全体に広がっており、まさに特需ともいえる“写真集ブーム”が起きようとしているのです。

この写真集ブームのきっかけとなったのは、2017年に発売し今もロングセラーを続ける乃木坂46の白石麻衣の「パスポート」だ。増刷を24回重ね、驚異の35万部を突破 しました。宮沢りえの150万部超えとは比較になりませんが、1万部を超えればヒットと言われるこの時代に、35万部超えは奇跡といえます。

 

乃木坂白石パスポート 乃木坂白石パスポート

 

乃木坂46写真集の売上げランキング

写真集の乃木坂効果だけを取り上げてみると、白石麻衣、生田絵梨花、齋藤飛鳥の3強時代が垣間見れます。以下は2019年時点の乃木坂46写真集の発行部数ランキングです。

  • 1位 白石麻衣 「パスポート」 約35万部
  • 2位 生田絵梨花 「インターミッション」約30万部
  • 3位 齋藤飛鳥 「潮騒」 約20万部
  • 4位 西野七瀬 「わたしのこと」
  • 5位 西野七瀬 「風を着替えて」
  • 6位 生田絵梨花 「転調」
  • 7位 橋本奈々未 「2017」
  • 8位 西野七瀬 「普段着」

他のトップアイドルと比較してみると、やはり白石麻衣の発行部数が飛び抜けていることがわかります。例えば、AKBのトップアイドルだった大島優子のフォトブック『脱ぎやがれ』は重版を何度か重ねましたが、確か10万部を超えていなかったはずです。

また、同じくAKBの前田敦子の『不器用』が初版で3万程度、トータルでも5万部程度だったはずです。

 

このように、90年代は女優を中心とした写真集によってブームが起き、2000年代はアイドルグループによる写真集ブームといえます。これからもしばらくは乃木坂効果は続きそうです。

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