愛し合う二人の写真は素晴らしいの一言ですが、女性の左手をご覧下さい。左手の親指付近です。男性の口元にもあります。紫がかってませんか?これがパープルフリンジです。決してカメラの故障ではありません。
カメラやレンズの進化は目の前の現実をどれだけ忠実に再現できるかを追い求めています。本来、この写真に紫色の境界線はないわけなので、このパープルフリンジは進化を阻害するものとして扱われています。もし、手元に背景が明るくて被写体が暗いものが写っている写真があればフリンジが出ているか調べてみましょう。
パープルフリンジが発生する技術的な側面はと言えば。撮像素子、イメージセンサーに大量の光が入射したときに光が溢れ出てしまいます。そして隣の画素に干渉し、高輝度部分に隣り合った低輝度部分に偽色が出てしまうことをパープルフリンジといいます。特に紫色の縁取りになるのでパープルフリンジと呼ばれています。カメラの画像処理技術やレンズの進化によって出現頻度は減ったと言われていますが、たまにこうして出現してしまいます。
パープルフリンジと呼ばれるように紫色になる理由ですが、たいていの撮像素子は緑色に対する感度が高く、ホワイトバランスの自動補正で青と赤の色が持ち上げられるからだと言われています。パープルフリンジを写真の味だと評価する人は少なく、取り除くべき収差であると言われています。
この写真のように明るい背景と暗い被写体が重なりあう際にパープルフリンジは発生しやすいため、構図を変えて撮影すれば解消されます。その他のパープルフリンジ対策としては、F値を絞って撮影したり紫外線カットフィルターを利用することも有効です。或いは、Photoshopなどのレタッチソフトを使っている人であれば簡単にパープルフリンジを除去してくれます。