ダイビング撮影のカメラ機材を揃えるにあたっての心構え
今年のダイビング旅行は去年のタイのサムイ島に続いてプーケットにしようと思っている。生活の拠点を上海に移してから一番困ったのがキャンプとダイビングが出来ないことだ。だから、年に一度のダイビング旅行は数カ月前から周到に準備するビッグイベントなのだ。
いま手元にあるカメラ用のハウジングを持っていない。だから借りるか新しく買わないと水中撮影ができない。去年、ダイビングショップでレンタルしたのだけど、ずいぶん古いオリンパスミューシリーズだったのでさすがに写りが悪かった。ダイビングショップのレンタル機材は少し不安なのだ。
だから今年のダイビング旅行では、撮影環境をもう少し整えたいと思っている。ただ、年に1度か2度しかないダイビングに巨額の投資をするわけにはいかない。Nikon D4s、D800、RICOH GR Digital 4のハウジングを手に入れるか、現地のダイビングショップか撮影機材レンタルショップでレンタルするか、マリンパックを新たに調達するかのいずれかを検討してみる。
ダイビングに必要なカメラセッティングの一般的な要件は6つ
- カメラが純正か非純正のいずれかのハウジングに対応できること
- 水中では陸上に比べて暗いので、F2.8あたりのレンズであること
- 水中は赤系の色が吸収されるので色彩が乏しいため水中モードが欲しい
- 水中だけではなく海辺での撮影もするので防水仕様が好ましい
- ハウジングを装着して水深40メートルの防水仕様であること
- 被写体が魚やサンゴ礁ならマクロモードかマクロレンズで撮影することが望ましい
この10年間のダイビング経験とネット界隈の情報をまとめるとだいたいこの6つの要件が満たされていたほうがいい。そして何より、第七番目の要件は財布が傷まない事だ。合計7つの要件にあう組み合わせを探そうと思う。いろいろ考えてわかったけど、最終的には現地レンタルかコンデジを新調するのが最も安く済みそう。間違ってもD4sのハウジングを買うことは無い。
D4sかD800のハウジングを探してみたけど、絶対要らないと分かった
せっかくのダイビングだから、色彩豊かで広角も望遠もフル活用した水中写真を撮りたい。予想していたけどやっぱりD4sやD800用のハウジングはずば抜けて高い。このあたりのハウジングは、メーカーから純正ハウジングは発売されておらず専門メーカーから少量生産で発売されているだけだ。
D4s用ハウジングは50万円、D800用は20万円が目安だ。ボディ本体と肩を並べる金額には手も足も出ない。シーアンドシー、アンティス、アクアワークスジャパンなど日本国内には水中カメラ関連メーカーが10社程度あり、各メーカーのカメラに合うハウジングを生産している。
ただカメラのバージョンアップは毎年行われているわけで、それに毎回合わせて開発するのだろうから開発費用を回収するにはそれなりの金額になるのは仕方ないのだろう。RICOH GR DIGITAL4用のハウジングも今や生産終了で、手に入れるのは中古しかない。少量生産の割に商品ライフサイクルが短いという大変辛い商品だ。
ハウジングのレンタルを探してみたけど、旅行日数によってはお得ではない
日本国内にある水中カメラ機材のレンタルショップを調べると、平均してコンデジ用のハウジングは一週間借りるとした場合、1日あたり2000円程度、D4sやD800は5000円程度。2泊程度なら3割り増しが目安。タイ旅行なら一週間は必要だから、使用権を手に入れるだけで数万円が消えていく。
現地のダイビングショップでレンタルするなら、経験上から結構古いカメラとハウジングをセットで借りて1日2000〜3000円。冒頭で書いたとおり、ダイビングショップの機材は古いものが多いから、写りを優先すると真っ先に候補から外したくなる。
レンタル業社の視点から考えれば、例えばD4sのハウジングは買って50万円だから、1日あたり5000円として100日間借りてもらって初めて回収できる水準。100日間ずっとレンタルされていることは考えづらいので2年程度で回収され、そこから収益化する。それを考えれば、レンタル業者が商品を調達するのは3〜5年に1度くらいだろうか。
そんな人様のことを考えてる場合じゃない。ハウジングが実稼働する日数とレンタル日数を考えなければ、負担費用のリアリティが無くなってしまう。旅行中にハウジングを使うの3日程度だから移動日分もレンタル料金を支払ったら1回あたりの費用は1万円を超えてくる。国内の旅行ならまだしも海外の場合は割高に感じる。
コンデジとハウジングセットを調達するのがベストな選択とわかった
デジタル一眼レフカメラ用にハウジングを買うことを諦め、レンタルはもったいない気がしてしまったので、結局残るは新しく買うしか残されてない。となると、どんなカメラとハウジングがいいのか調べてみたところ、水中カメラ業界からすこぶる評判が高いのがオリンパス。
私も以前はずっとオリンパスのミューシリーズを使っていたし、周りのダイビング友だちもみな揃ってオリンパスを使っている。純正ハウジングもついている、マクロモードも水中撮影モードも装備されているので環境は整っている。
もちろん、キヤノン、富士フィルム、ニコン、SONYもコンデジやミラーレスとハウジングをセットにしたマリンパックを発売している。しかし、大学教授のシーナ・アイエンガー氏の「選択の科学」を借りると、人間の選択は選択肢が多いからといって正しい選択が出来るわけではない。
ドレーガーズマーケットの研究にあるように、数少ない選択肢のほうが、なぜ選択しなかったのかという後悔も少なくてすむ。だから、今回はオリンパスだけを選択肢として後悔のないマリンパックを手に入れたい。まだ旅行までには時間がある。この1ヶ月で結論を出そう。