部屋にキノコが生えたから、キノコにとって過酷な環境を用意した。

部屋にキノコが生えた。

キッチンと浴室の間から白いキノコが顔を出していた。

きのう、そこには何もなかったことを記憶しているけど、朝起きたら一本生えていた。そして翌日、そのキノコは子どもを引き連れて家族になっていた。

せっかくだから育キノコ写真でも撮り続けようと試したけど、写りがよろしくない。もう少し成長したらまた撮影してみようと思う。

このまま放置していても害はないけど、いつかは最終判断を下さなければいけない。まず何を栄養に育ったのかわからないから、食べるわけにはいかない。家族もろともなぎ倒すことも考えたけど、根っこには手が届かない場所に生息している。なら、自然消滅してもらうしかない。

この部屋はヒトの住む部屋であって森ではない。キノコが育ちづらい環境を作れば自然消滅するはず。

1. 適度に風が通る
2. 適度な湿気
3. 土の栄養価
4. 直射日光が当たりづらい

これがキノコが育つ環境らしい。キノコだけではなく私も過ごしやすそうなのは偶然か。この部屋の未来のためにも過酷な環境を作り上げるしかないので、今日から住環境にメスを入れる。

1. 風が通らないように、7月中は窓を開けないことを誓います
2. 湿気が無くなるよに3個の防湿剤でキノコを取囲みます
3. 土があるわけではないので、ここは無視します
4. 鏡を使ってキノコに日光を間接投射します

これでキノコは自然消滅してくれるだろう。

キノコが生える部屋はレンズにカビが生えてもおかしくない。気を引き締めなければ。

 

追記：

翌日から5本の大家族となっていたものの、過酷な環境に耐えられなかったキノコ家族は一家離散した。