奇跡の一枚を撮るのは素人でもできることですが、それを再現し続けるのがプロの写真家たる所以です。日本では森山大道が評価され蜷川幸雄の娘が評価されているのも彼らの撮る世界観が世の中に受け入れられているからで、奇跡の一枚を撮ったからではないはずです。そういう意味では、このDavidFokosもまた独自の世界観をもった写真家です。
DavidFokos氏は、1960年ボルチモア(メリーランド州/アメリカ)生まれの写真家で長時間露光によって視覚ノイズを徹底排除したモノクロームの世界を作り出す写真家です。彼の写真家としてのキャリアは30年を超え、15年前からこのような撮影技法に辿り着いたそうです。また、日本の芸術にも明るいようで日本の俳句との類似点を指摘しています。
大学で、日本の芸術、映画、俳句を学び、特に、短い言葉で奥深い表現をする俳句からインスピレーションを受けています。 もちろん、自身が俳句の心を理解して表現しているわけではありませんが、私の作品には、俳句の心と類似点がある、と思っています。
Davidさんのまだ見ぬオリジナル作品の機会を探るべく、早速ご本人に連絡してみました。すると、ちょうど日本人の代理人さんがおり、彼女に相談してみました。上海でオリジナル写真に触れる機会があるか尋ねたところ上海でのギャラリーやイベント開催の予定は無さそうで、日本の大阪でオリジナル写真が常時展示されているらしいので、次回の一時帰国時には必ず立ち寄ろうと思います。代理人さんは非常に丁寧でやさしい方でして、月に数回のメールのやり取りを続けさせて頂いております。とてもいい方なので、いつのまにか人生相談のような会話になってしまい、DavidFokosの作品に興味をもったのは職業柄、静寂や安らぎを求めてるのではないかとご指摘頂きました。あたってるかもしれないですわ。