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サッカーの総本山で起きてる事件を整理したら、まるで映画だった

FIFAというサッカーの総本山のお偉いさん達が大量に逮捕された

FIFA逮捕者
FIFAのお偉いさん達(5月29日時点のFIFAオフィシャルサイト上)

2015年5月27日はサッカー界において、歴史的な日になった。米国司法当局が9名のFIFAお偉いさんと、5人のスポーツマーケティング関係者を不正・汚職の疑いで逮捕起訴したことを発表した。

FIFAからの正式な発表はないのでアメリカ司法当局の発表によると、FIFA副会長さん、コスタリカサッカー連盟会長さん、元中南米サッカー連盟の会長さん、ベネズエラサッカー連盟会長さん、元ブラジルサッカー連盟の会長さんあたりが捕まった模様。こうみると、中南米出身の幹部たちが組織ぐるみで不正に手を染めていたことがわかる。

まるで映画のように用意周到な逮捕劇だった

FIFAの逮捕者
実際の逮捕者は映画に出てくる悪役にぴったり

まさに映画のような用意周到な逮捕劇だった。まず逮捕のタイミングが次期会長選挙戦の48時間前というのが用意周到過ぎる。次期会長選挙が始まる2日前、FIFAのお偉いさん達はスイスのホテルにぞろぞろと集まってきた。

そのホテルにいたのはFIFA幹部たちだけではなかった。ただのホテルのベルボーイかとおもいきや、スイスの極秘捜査を担当する敏腕の刑事たち。あっと言う間にお偉いさん達は一網打尽に逮捕されてしまった。

今回の逮捕劇の裏側にいるのは、超エリートで構成された米国司法当局である。彼らがスイスの司法当局を動かし、世界のサッカー界を牛耳る幹部たちを消し去った。もちろん?だが、逮捕者にアメリカ国籍の者はいない。

24年間に渡る長期的な犯罪がついに終わりを遂げる

今回起訴された9人の罪状は賄賂だ。この賄賂は昨日今日の話ではない。1990年代から始まったとされ、24年の長きにわたってスポーツマーケティング企業から合計186億円も受け取っていた。スポーツマーケティング企業への見返りは、中南米で開かれるサッカー試合や放送権、スポンサー権の優遇である。

FIFA逮捕劇の裏に協力者、それはアメリカサッカーの重鎮だった

チャックブレイザー
左から二人目が、米国サッカー界の重鎮チャックブレイザー

大規模な汚職事件の裏には必ず捜査協力者がいるもの。世紀の逮捕劇に捜査協力したのはチェックブレイザーである。彼は、元FIFAの理事で米国サッカー界の超重要人物である。ただし、このチャックブレイザーも善人ではなかった。彼も悪人なのだが、今回は捜査当局にゆすられて、逮捕劇に協力をせざるを得なかっただけ。

長年アメリカサッカー界、そしてFIFAの理事として君臨していたチャックブレイザーは、2010年あたりからFIFAの他幹部との関係が悪化する。プライベートジェットで世界中を旅して、5つ星ホテルを泊まり歩く彼の姿にFIFAはNOを突きつけた。2013年チャックはFIFAから停職処分をうける。

その後チャックブレイザーは恐喝、通信詐欺、マネーロンダリング容疑、凶暴、脱税などあらゆる容疑で逮捕されこれから実刑判決を受ける可能性が非常に高い。しかし、米国には便利な司法取引がある。ブレイザーFBIに命じられ小型マイクが仕込まれたキーホルダーでFIFA幹部たちの会話を録音していた。この決定的な証拠が、今回の逮捕劇につながったのだ。

巨大な組織的犯行を壊滅に追い込んだ掃討作戦の指揮官はなぜ米国?

ロシアのプーチン大統領は、この逮捕劇に痛烈なコメントを発表している「この汚職事件は、アメリカに全く関係ないこと。アメリカ市民でもないし、アメリカで事件が起きてるわけでもない。」それはプーチンでなくとも感じていることだ。どうして、アメリカに関係ない事件をアメリカが必死に取り仕切ってるのだろうか。

アメリカの当局が外国人を起訴する場合は、犯行がアメリカと関係していることを証明する必要がある。そして今回は、「賄賂の受け渡し、マネーロンダリングがアメリカの銀行を使って行われていた」から米国主導で動いたと伝えられている。

捜査の陣頭指揮をリンチ司法長官
FIFA逮捕劇の指揮官リンチ司法長官

 

ちなみに、今回の事件捜査の陣頭指揮をとったのは米国司法長官直々で、そこに直下の司法省とFBI、IRS(国税庁にあたる機関)が合同捜査を行い、最終的にスイス捜査当局が逮捕した。アメリカ司法当局は「この不正行為は20年以上に渡って行われている、そして捜査自体も長期間行われてきた」と述べており、虎視眈々と逮捕の機会を伺っていたことがわかる。

ちなみに、リンチ司法長官は司法省(最高検察庁と同等の機関)のトップで、FBIとIRS合同捜査チームを組んでるわけだが、これはマフィアの壊滅作戦の時にしか組まれないフォーメーションと伝えられている。それほど前代未聞の逮捕劇のようだ。

さらにリンチ司法長官は前職でこの合同捜査チームを編成し率いていたので先月就任したばかりの司法長官人事とこの事件は大きく関わっていると考えられる。サッカーにはさほど興味のないアメリカにとっては、FIFAという巨大組織をアメリカの司法が裁くという構図は歓迎されるのかもしれない。

FIFAのスポンサーはどういう反応を示しているのか?

現代サッカーがここまで大きくなったのはスポンサービジネスが機能しているからだ。今回のFIFAの汚職事件に早速スポンサーがコメントを発表し始めた。起訴されただけで有罪確定ではないので、控えめというかコメントを出す事が目的となったようなコメントが多いが、クレジットカードのVISA、ナイキ、アディダス、ヒュンダイが出している。特にVISAは、スポンサー契約を見直す可能性まで示唆した攻撃的なコメントが特徴的。

まだまだ、これから疑惑や逮捕者が出てくるだろうし、29日の会長選挙の結果によってはFIFAに君臨するブラッター理事長の王国が崩壊する可能性もある。サッカーファンとしては、しっかりとこの事件の終わりまで見届けたい。

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