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子どもを撮影するのに距離感とか構図を考えてはいけない

上海スナップ子ども

子どもの撮影のために、特別な撮影知識はいらない

自分の子どもならまだしも知らない子どもを撮影するとき、撮影者はいったい何を気にすればいい写真が撮れるのか考えたけど、結局は何もないと思った。この写真を撮りながら感じたのは、この子たちは既に3人の世界でエンターテイメントしてるってこと。そこにカメラが土足で上がり込んできても、全く気にしてないし撮影に好意的でもある。だから、こういう被写体以外は撮らないと決めたのだ。

というのも、誰も止められない流れとして個人情報や肖像権についてどんどん敏感になっている。これは日本に限らずアジア圏でもものすごいスピードで進んでいる。中国ですら肖像権や著作権の裁判がよく起きている。都会で喫煙者が喫煙所を探すように、カメラマンも個人情報が映らないような被写体を探し求めるのだ。

ボケの極意は、個人情報の削除にある

少し脱線すると、ボケという撮影技術がもてはやされるのは、いまの時代に合ってるのかもしれない。ボケは背景を消す、つまり被写体以外の輪郭が分かるものを消してくれる。背後に映る車のナンバープレートを消す、モザイクの役割を果たしてくれるのがボケだ。

なぜボケがこれほどもてはやされるのか疑問だったけど、ひとつの理解として個人情報っぽいものを消す作用があるのは納得した。それだけの理由ではないけど、無意識的に写しこんではいけないものを消す役割もあるのかなと、そう思う今日このごろ。

上海スナップこども2

話を戻す。情報過敏な時代だから子どもを撮影するのも苦労する。カメラを向けると、ほとんど隠れるし逃げ出す。それを予想して、距離感を保ったり構図を変えたりするわけだが、ほとんどいい写真にはならない。そして、子ども撮影にはそんな技術的なものではいい写真にはならないとも思う。風景撮影や建造物撮影と違って、ポートレート撮影は被写体に意思がある。撮られたくないという意思がある。

撮影されたくないと思ってる被写体を無理やり撮影するのと、いくらでも撮ってくれと言わんばかりのエンターテイナーたちを撮影するのを比べたら、いい写真が撮れる確率は後者が高い。大人より数倍のスピードで成長する子どもたちは、毎日撮っても新しい顔を見せてくれる。

だから、エンターテイナーたちを毎日撮影するほうがよっぽどいい。カメラを意識しないような、こういう子どもたちは、構図や距離感を考えなくてもオモシロくていい写真が量産できる。そして、この動きの素早い子ども達を撮影するには、D4sの食いつくようなAFがじわじわと効いてくる。

撮影機材
カメラ:D4s
レンズ:35mm F1.4 DG HSM

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