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いまのベストセラー写真集は、SNSからしか生まれない。「いいね!」の力はAKB48を超える。

写真集が売れる時代は終わった

宮沢りえのSanta Feが日本の写真集ムーブの幕開けとなって、それと同時に写真集ムーブメントはそれを超えることはなかった。ここ10年以上にわたりベストセラーの写真集が生まれることはなく、例えトップアイドルといえども100万部を超える写真集とはならない。もちろん、デジタル世代に紙の印刷物を手にする意識がないであろうけど、一方でコンテンツ不足であることも事実。

写真集ranking

例えば、2013年11月18日~2014年11月16日で集計された写真集ランキング(オリコン調べ)によると期間内でトップの売上部数の写真集は『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』である。その他で目立ったところだと、AKB48関連だろう。

AKB48『AKB48海外旅行日記 ~ハワイはハワイ~』(14年3月発売、光文社、5万3352部)が6位にランクインしているのを筆頭に、大島優子がAKB48卒業後に発売した蜷川実花撮影『脱ぎやがれ!』(14年9月、幻冬舎、5万310部)が7位。総合プロデュース秋元康/監修福田雄一の『指原莉乃写真集猫に負けた』(13年12月発売、光文社、3万7909部)は9位、撮影桑島智輝・新津保建秀・MARCOの『松井玲奈写真集「ヘメレット」』(14年4月発売、ワニブックス、3万7736部)が10位である。

こう考えると、年間で数百冊は発売されている写真集の中でAKB48グループ関連写真集がトップ10に6作がランクインしているのは圧倒的なコンテンツ力だろう。しかし、それ以上に忘れてはいけないのがトップ3に君臨する世界の絶景シリーズである。実はこれがこの数年で最も成長していると言われる「ソーシャルメディア写真集」なのである。

写真集の成長株はSNS写真集

SNS写真集とは何なのか、厳密な定義はないものの簡単に言えば「インターネット上のブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)から生まれた写真集」である。子供や家族はもちろん、ペットに世界の絶景に…と被写体は今までの風景やアイドルとは一線を画するものの多彩であるのが特徴。

ソーシャルメディアに投稿された等身大の日常をとらえた写真から伝わるリアルな物語性に加え、SNSの特性である口コミで評判が広がりやすい利点もあり、無名の著者ながら人気アイドルの写真集並みに売れる本も出ており、その筆頭が2014年度の写真集ランキング上位を独占した絶景シリーズなのである。

 

有名なソーシャルメディア写真集の一例

1万部売れればベストセラーと言われる時代に10万部発行の素人写真集

2008年からブログ「Maru in Michigan」で写真を公開。日本のみならず、海外の雑誌でも取り上げられる人気ブログとなった。柴犬のマルちゃんと、一茶くんは兄弟のように育ち、その成長過程をブログに収めていたところ、ひょんなところから写真集として発売されることとなり、国内や海外でも話題となった写真集。

60万人の「いいね!」が生んだ絶景を見ずに完成した絶景写真集

Facebookページの「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」から、特に人気が高かった絶景写真を厳選した写真集。もともとは、フェイスブックでのいいね!の数を競わせたある会社の社員研修の企画がもととなって誕生した写真集。従来の絶景写真集は、カメラマンが絶景写真を撮影することから写真集が成り立つわけだが、この本の著者は「全く行ったことがない」のが特徴。さまざまな絶景写真を外部から調達しただけでベストセラーが生まれたこともまた話題となった。まさにキュレーション力の時代。

写真は被写体とカメラマンの結晶であることは今もこれからも変わらないものの、ソーシャルメディアといった情報発信力を誰もが持つ時代には素人カメラマンだろうと、カメラマンでなかろうと写真集を1つのビジネスにできる時代となったことはカメラ愛好家としては嬉しい限り。


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