私にとって写真撮影は趣味の一環ですから、カメラは必要性に駆られて買うものではありません。だから、お金が許せば欲しい物を買えばいいんです。それが趣味の醍醐味です。ということで、触った瞬間に欲しい欲しいが爆発し、全ての物欲をこのD4sに一点集中させて、勢いに身を任せて手に入れてしまいました。もうその日から、毎日写真撮影が楽しくて仕方ありません。私のような初心者がD4sをぶら下げることには異論反論もあるでしょうが、初心者だからこそ感じたフラッグシップモデルの凄さをお伝えしたいのです。
フラッグシップモデルはエントリーモデルとは違って全てが一流
フラッグシップモデルは、メーカーの技術が集結した象徴的存在となる製品であり、その時点で最も妥協なき製品であります。言うなればメーカーの顔とも呼べる製品です。よくハイエンドモデルと呼ばれる製品がありますが、これはいわば下級(初級)モデル、中級モデル、上級モデルの上級モデルに位置する製品です。
フラッグシップモデルはハイエンドモデルを凌駕する性能が求められています。2014年時点でのニコンのデジタル一眼レフカメラのフラッグシップ機はNikon D4sです。ニコンにはD四桁機(D5200やD7000)やD三桁機(D610やD810)がありますが、フラッグシップ機はD一桁機と相場が決まっています。キヤノンのフラッグシップ機も一桁機です。
フラッグシップモデルは、カメラ業界だけで呼ばれるわけではなくて車メーカーにもオートバイにもスマートフォンにもフラッグシップモデルはあります。フラッグシップモデルを見れば、そのメーカーやブランドの本気度や技術の成熟度がよくわかります。フラッグシップのくせにイケてないものもたくさんあります。
フラッグシップD4sとエントリーモデルD3300を数字で比較したよ
比較すべき対象なのかという疑問はありますが、両極端を知るべしというのは何事にも言えることですので試しに比較してみましょう。
比較項目 | D3300 | D4s | ひとくちめも |
---|---|---|---|
1:画素数 | 24メガピクセル | 16メガピクセル | 決して高画素数ではないのがフラッグシップ(他メーカーも同じ)です |
2:重さ | 430g | 1350g | 約1キロ、3倍も違います |
3:大きさ | 923cm³ | 2285cm³ | 体積も2倍違います |
4:フラッシュ搭載 | している | していない | フラッグシップに付属フラッシュなどいらない。焚くならストロボです。 |
5:防塵防滴仕様 | いいえ | はい | マグネシウム合金の防塵防滴仕様です |
6:値段 | 5万円切り | 50万超え | もっと安く買いたいです |
7:バッテリーパワー | 1500mAh | 2500mAh | 付属の充電器は予備バッテリーも同時に充電できます |
8:Wifi | はい | いいえ | |
9:手ぶれ補正 | はい | いいえ | ボディ内蔵の手ぶれ補正がついています |
10:HDRモード | はい | いいえ | ハイダイナミックレンジ撮影が可能です |
11:デュアルカードスロット | はい | いいえ | メモリーカードのスロットが2つついています。 |
12:撮像素子 | APC-Cサイズ | フルサイズ | センサーサイズが違います |
13:連写撮影 | 5コマ/秒 | 11コマ/秒 | |
14:ファインダー形式 | ペンタミラー | ペンタプリズム | プリズムは光学ガラスの多面体です。ペンタミラーは鏡の組み合わせです。 |
初心者でも分かったD4sの凄さ
デジタル一眼レフカメラには最も安い普及機(入門機、初級機)からD4sのようなフラッグシップモデルまで各メーカーから幅広い価格帯でラインナップされています。その価格差はカメラボディだけでも10倍以上の差があります。
ニコンのデジタル一眼レフカメラ入門機の代表格D3000シリーズのD3300は2014年7月現在の実勢価格は45,000円。
一方、ニコンのデジタル一眼レフカメラフラッグシップ機のD4sは2014年7月現在の実勢価格は550,000円です。価格は10倍以上の開きがあります。両カメラともデジタル一眼レフカメラに変わりありませんし、使えるレンズも基本的には同じものが使えます。同じカメラでここまで金額が違うとは謎すぎます。では一体、この価格差はどこからくるのでしょうか。
フラッグシップカメラは外観から違う
通常のデジタル一眼レフカメラは横に長いですが、D4sはご覧の通り正方形です。触らないと分からないのが、D4sはシャッターボタンが2つあることです。写真左下にシャッターボタンがついていて、縦ポジションでの撮影には重宝します。ダイヤルもついているので、各種設定も縦でも横でも自由自在に変更できるようになっています。
もちろん基本性能も違います
- オートフォーカスの合焦速度が早い
- シャッターのタイムラグが少ない
- 連写速度が圧倒的に早い
この3つの違いが現れるのが高速で移動する被写体を狙う場合です。街角スナップや風景写真、旅行の記念写真を撮るなら10倍の違いは分からないですが、電車・レース・スポーツなどを撮影するならフラッグシップ機の独壇場です。つまり、耐環境性があるという事になります。いつでもどこでもどんな環境でも撮影できるのが、フラッグシップに求められる性能です。
プロフェッショナルモデルですから耐久性も違います
- シャッターの耐久性
- 防塵防滴仕様
- ボディの堅牢性
- シャターやダイヤル等の可能部の耐久性
例えば、Nikonのフラッグシップ機であったD3sはNASAに納品され国際宇宙ステーションの撮影に利用されました。それは宇宙用に特別仕様に変更されたわけではなく市販品とほぼ変わらぬD3sが納品されたと言われています。過酷でも失敗が許されない撮影環境に採用されたのは、紛れも無くフラッグシップ機です。
ボディの材質もエントリーモデルではステンレス板をネジ止めして組み立てられますが、フラッグシップ機では、マグネシウム合金をくりぬいて作られます。衝撃にも強いですし、激重なレンズをぶら下げてもボディが歪むこともありません。
結局、シャッターを押せば全てが分かります
エントリーモデルはもちろんハイエンドモデルですら、フラッグシップを目の前にしたらカメラ初心者でもだれでもその違いが分かる、それがフラッグシップモデルの品格なのです。エントリーモデルでも撮影道具には変わりませんし、コンデジだって作品は作れます。それでもD4sを買ったのは、触ってしまったからです。試写してしまえば、シャッター音から質実剛健な佇まいまで全てが頭から離れません。
フラッグシップ機D4sは知能と最新技術の結晶体だよ
フラッグシップモデルというのはその時代の最先端の技術を注ぎ込んだモデルであって、その技術が確立することで、数年後にミドルモデルやエントリーモデルへと波及していきます。大量生産ラインに乗らない新技術を惜しみなく投入するので価格は高めに設定されるのは仕方ないことです。研究開発費もかなりの割合でフラッグシップモデルの価格に反映されていることでしょう。
カメラにおけるフラッグシップモデルは、言わずもがなプロフェッショナルモデルでもあります。例えばどのメーカーでも最高のオートフォーカス性能はフラッグシップに採用される技術です。スポーツ撮影のときに狙った選手の手前を別の選手が一時的に横切るようなシーンでも、ピントを合わせるべき被写体を高精度に判定して正確に追従し続けます。
撮影意図に叶うピント合わせを実行するようにAFアルゴリズムを設計し、予測がつきにくい動きのある被写体も、コントラストの低い被写体でもオートフォーカスしてくれます。捉えた被写体を追い続けるだけではなくて喰らい続ける執着力がD4sにはあるのです。決して諦めないカメラ、それがフラッグシップのD4sです。
また、AFエリアモードも日常使いでは充分すぎるほどのモードを用意しており、「シングルポイントAF」、「ダイナミックAF(9点、21点、51点)」、「3D-トラッキング」、「オートエリアAF」、「グループエリアAF」とあらゆる撮影シーンに対応している点も最上位機種だからです。
フラッグシップ機D4sでなければ撮れない、なんてことはないよ。
正直なところ、D4sでなければ撮れない写真は限りなく少ないと思っています。ただ高感度耐性と鬼の連写性能のおかげでシャッターチャンスは確実に増えました。そして何より鉄壁の守備力のおかげで、雨でも風でも環境問わず撮影する意欲を捧げてくれたのがD4sです。その他カメラで撮れないならD4sに持ち替える。D4sで撮れなければ諦める。それがフラッグシップへの敬意です。
D4sはどれほど売れているのか想像してみたよ
このカメラを手に入れるにあたっては、その他の物欲を封じてやっとの思いで買うことができました。それほど1つの趣味に投資するには大きな買い物でした。このカメラはどれほど売れているのか真実はニコン社の機密情報でしょうが、いくつかの情報筋によると、発売当初の販売台数は月間3000〜4000台ほどだそうです。エントリーモデルのD3000シリーズが10万台を超えています。
もし、D4sを買いたいと思っているなら推すよ
これは、ニコンイメージング制作の「DEDICATED(写真に身を捧げる者達)」というタイトルの D4sで撮影されたプロモーションビデオです。みれば鳥肌が立ちます。間違いありません。すぐにでもD4sを手に入れて、シャッターを押したくなるはずです。
D4sのスペック情報
D4sの基本仕様 | |||
---|---|---|---|
タイプ | 一眼レフ | レンズマウント | ニコンFマウント |
画素数 | 1661万画素(総画素) 1623万画素(有効画素) |
撮像素子 | フルサイズ 36mm×23.9mm CMOS |
ローパスフィルターレス | 撮影感度 | 標準:ISO100~25600 拡張:ISO50相当、409600相当 |
|
記録フォーマット | JPEG/RAW/TIFF | 連写撮影 | 11 コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000~30 秒 | 液晶モニター | 3.2インチ 92万ドット |
ファインダー形式 | ペンタプリズム | ファインダー視野率(上下/左右) | 100/100 |
ファインダー倍率 | 0.7 | 電池タイプ | 専用電池 |
専用電池型番 | EN-EL18a | 撮影枚数 | |
記録メディア | コンパクトフラッシュ | ||
その他機能 | |||
手ブレ補正機構 | ゴミ取り機構 | ○ | |
ライブビュー | ○ | 可動式モニタ | |
PictBridge対応 | ○ | 内蔵フラッシュ | |
バルブ | ○ | 防塵・防滴 | ○ |
RAW+JPEG同時記録 | ○ | RAW | 12bit/14bit |
セルフタイマー | 20/10/5/2秒 | インターフェース | USB2.0、HDMI |
GPS | 起動時間 | ||
動画撮影 | |||
4K対応 | 動画記録画素数 | フルHD(1920×1080) | |
フレームレート | 59.94 fps | ファイル形式 | MOV |
映像圧縮方式 | H.264/MPEG-4 AVC | 音声記録方式 | リニアPCM |
ネットワーク | |||
NFC | Wi-Fi | ||
Wi-Fi Direct対応 | |||
サイズ・重量 | |||
幅x高さx奥行き | 160×156.5×90.5 mm | 重量 | 1180 g |
付属 | |||
付属レンズ | 無(本体のみ) | ||
カラー | |||
カラー | ブラック系 |
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